診断機をつなぐとエンジンがかかる はずすと始動不能 その原因は…

平成6年式のアクティトラック、型式はGBD-HA6です。

他社からの修理依頼で、いくつかの整備の後エンジンがかからなくなってしまったとのこと。

タペットカバーパッキンの交換、ダイレクトコイルの点検、プラグの交換、インジェクターの点検等を行った模様です。

診断機の電源のオンオフには関係なく、OBD2のケーブルをつなげてさえいればエンジンは始動できます。

この時にはECUには故障コードは記録されていません。

また、OBD2のケーブルを抜くとアイドリングの維持も全く不能で再始動しようとしても初爆がなくエンジンがかかる気配はありません。

作業後のトラブルなので、作られた故障かもしれませんが、タイミング悪く不具合が出たことも頭の隅におきながら作業にとりかかります。

症状から想像すると、ECUのアース回路が診断機を通して成立してるようですね。つまりコンピューターのアース不良。

そのことを考えながら配線図を見てみると…
ムムムッ、ECUからアースが2本出ているんですが、カプラー等やその他の部品は介さずそのままアース。ECUのカプラーを外して導通点検をしてみてもココはアースはしっかりととれているようです。

もう一度配線図をよく見てみると、データリンクカプラ(OBD2)を通してアースをとれるところが1か所あります。

ECUの端子配列表を見てみると、先に確認したアースは「パワーグランド1及び2」となっており、もう1か所は「ロジックグランド1及び2」となっておりコチラも2本配線がでています。

配列表の説明ではどちらも「PGM-FI ECU制御回路のアース」となっています。配線の色は「茶/黄」です。

とりあえずこの配線をテストリードとワニ口でアースに落とすとエンジンは始動できるので、この回路でアース不良ですね。

ただこの配線、
・OBD2のアース
・TDCセンサー(カム角センサー)のアース
・O2センサーのシールド線のアース
・ノックセンサのシールド線のアース
・ボディアースへの配線
と5つの同じ色の配線がショートカプラも絡んでまとまっています(汗)

このショートカプラの端子配列表があれば楽なんですが、サービスマニュアルでは見つけられなかったため、面倒ですが確認していきます。

OBD2のカプラーを繋ぐとエンジンはかかることから、
・OBD2のアース
・TDCセンサーのアース
・O2センサーのシールド線のアース
は恐らく大丈夫なんですが、なんせ配線の色が皆同じなので1つずつ場所を確認しながら絞り込んでいきます。

ちなみにショートカプラの場所は、キャビン後方(室内と室外の間)に少し空間があって、そのケーブルにテープで巻かれていました。パーキングケーブルの通る場所の近くでした。

ショートカプラを外し「茶/黄」の配線を1つずつ確認していきますが、「ショートカプラ→ボディアース」間の断線で間違いなさそうです。

で、このボディアース、わざわざインマニの上でとっています。なぜこんな遠くに(泣)

タペットカバーの上方に太い配線の束がきているんですが、そこが短めのコルゲートチューブで巻かれているので、とりあえずそこを外して確認してみます。

「茶/黄」の配線を探して、少し被覆を剥がして導通点検してみると、ECUからココまでは大丈夫なので、「ココ→インマニ上部」間のアース不良です。

具体的な断線箇所を見たかったんですが、イグニッションコイル、インジェクター等の配線がゴッソリ来ていることと、最終的にインマニの下を通っていることから、被覆を剥がした所からバイパスしてアースをとることになりました。

以上で修理完了です。

タペットカバーパッキンの交換や、プラグ交換等でよく動かしてしまう配線の束なので今後は自分も注意して作業していきたいと思いました。

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